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追憶日記

管理人のくだらない日常の云々・・・

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イングラムのお年玉




それは本当ボソッとした呟きであった。
初詣を済ませコタツに入りそれぞれの事をしている二人。
クォヴレーはねっころがりながら本を、
イングラムは持ち帰ってきている仕事の書類に目を通している。
テレビも一応ついてはいるが、二人にとってそれはただの雑音でしかなかった。



・・・しかしある時テレビが何気なく『お年玉』という言葉を使ったのだ。
それを聞いたイングラムはほんとに何気なくボソッと言うのだった。

「・・・俺も欲しいものだな」
「・・・・・?」

小さなイングラムの呟きはテレビにかき消されよく聞き取れなかった。
クォヴレーは起き上がると少しだけ首を傾げて聞いてみる。

「今なんと言ったんだ?」
「・・・俺も欲しい、といったんだ」
「????(何をだろう??)」

淋しげな微笑を浮かべながら言うイングラムにクォヴレーは首を傾げるばかり。
一体彼は何が欲しいというのだろうか?
クォヴレーが困ったような顔で目を何度も瞬かせていると、
イングラムもまた困ったような顔で、

「分からないか?」

と、いってきた。
素直にコクンと頷くとクォヴレーはイングラムの傍へ近寄り、
その横に腰を下ろす。
並びあって座り彼を見上げ真っ直ぐな瞳で問うのだった。

「一体何が欲しいんだ???教えてくれ。それはオレに与えられるものか??」
「もちろん」
「それはなんだ??」

より一層イングラムへ身体を近づけ何が欲しいのかを聞き出そうとする。
『イングラムのことは何でも知りたい』
と、思っているクォヴレーはなにやら必死な様子だ。
その必死な様子を可愛い、
と内心思いながらイングラムは優しく微笑みながら教えるのだった。

「それはな・・・」
「それは・・・?」

ゴクン、と唾を飲むクォヴレー。
イングラムはそんなクォヴレーの頬に手を寄せ優しく撫でながら耳元へ口を持っていく。
そして・・・・・。

「お年玉だ」
「・・・・・は?」

耳元で囁かれた『欲しいもの』。
しかしそれはクォヴレーにとって意外なものでしかなく
変な声を思わず出してしまった。

「お年玉????」




②へ続く
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