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追憶日記

管理人のくだらない日常の云々・・・

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油が多いから、き、気持ち悪い・・・うっぷ。
さんまもサバも美味しいけど、あの油の多さはどうにかなりませんかねー???
サバの味噌煮とか生姜がないとキツイですもの(><)


さて、久々にPC起動ですよ。用があったので。
え?メールはもうちょっと待って(笑)
とりあえずブログに小話をUPしますネ。この続きです。

あ、バトンもしばらくお待ちを~(><)



~噛めば噛むほど・・~


真っ暗闇の世界。
その中で一箇所だけぼんやり光っている場所がある。
入れ替わった時クォヴレーの意識は眠ったままだが、
イングラムが還ってくると同時に目を覚ますのだ。
それは少しだけ訪れる二人だけの時間。

クォヴレーはゆっくりと目を開き、
覗き込んでいる人物を真っ直ぐに見上げた。


「・・・気分はどうだ?」


少しだけふて腐れたかのように見上げてくるクォヴレーに、
苦笑を浮かべてご機嫌を伺うイングラム。
彼の身体を無断で使うことに多少は抵抗感があるものの、
イングラムとしては『守る』ためにはいた仕方ないと思っている。

「この世界ではなんともない。
 目覚めると少し頭痛がするだろうが・・・・」
「・・・そうか」

柔らかくふわふわの銀の髪に手を置き、
優しく撫でながらクォヴレーを抱き起こす。
相変らず少しだけ拗ねた表情のクォヴレーは、
それでもイングラムに抱きしめられるのは嬉しいのか、
しっかりと背中に腕をまわしてきた。

「・・・追い払えたのか?・・・無事に」
「俺がここに還ってきて、お前の魂が無事なのがその答えだ」
「・・・・そう、だな」

いくら心が入れ替わっていたとしても身体はクォヴレーだ。
クォヴレーの身体が傷つけば、二人の精神も崩壊する。
毎回イングラムが還ってくることこそが吉報なのだ。
今日も無事、『二人』で生き残れた。
嬉しいことだ。
嬉しいことだが、今日のクォヴレーはなんだかご機嫌が悪いようだ。

「クォヴレー、どうした?」

後頭を抱え、胸にうずまっていた顔をあげさせ頬に口づける。
場所がどこであれキスを施すとうっとりと目を閉じるが、
今日のクォヴレーはすぐに冷静な表情に戻ってしまう。

「(本当にどうしたというのだ?)」

虚ろな存在の攻撃にクォヴレーの危機を感じ、
無断でその身体を失敬した。
抵抗するクォヴレーを魂ごと精神世界に追いやり、
クォヴレーの身体で現世に出向く。
そうしてクォヴレーに危害を加えようとする輩を片っ端から蹴散らしていくのだ。
だが最近その機会が増えている気がする。
さしものイングラムもやりすぎだ、とは思うのだが、
『可愛いクォヴレー』が変態に捕まるのは耐えられそうもない。
障害は早めに除去しなければおちおち昼寝も出来ないのだ。
ひょっとしたら・・・いや、絶対にそのことに対してクォヴレーは不機嫌なのだろう。

・・・・でしゃばり過ぎているのかも知れない。
イングラムも分かっているのだ。

「(不機嫌の理由はおそらく俺なのだろう・・だが・・・)」

でしゃばるのを止められない。
捕まって辛い思いをさせたくない。
それは『恋人』として当然の感情だ。

「(身体のない俺がでしゃばりすぎるのはよくないのも事実だ)
 ・・・クォヴレー・・・・」

なんともいえないモヤモヤした感情が魂を覆っていく。
一つ、大きく深呼吸をして不機嫌なクォヴレーを力いっぱい抱きしめた。
するとクォヴレーの身体が大きく震え、
不安げに瞳を揺らしながら真っ直ぐに目を合わせてきたのだった。

「最近、イングラムはよく表に出るだろう?」

酷く落ち込んだ声。
やはり不機嫌な理由はソレのようだ。
イングラムは無言で頷き、その先の言葉を待つことしか出来なかった。

「オレは・・・思うんだ」

・・・何を?

咽まで出掛かっていた言葉を必死で飲み、
抱きしめる腕に力をこめる。
どうか拒絶しないで欲しい。
それはイングラムが一番恐れている恐れだからだ。
クォヴレーに拒まれたらイングラムはこの世界に存在することが出来ない。

「・・・オレの身体・・・、イングラムに渡した方がいいのではないのかと・・、
 思うんだ・・・、最近・・・特に・・・・お前に助けてもらってばかりだし・・・、
 オレが使っているより、イングラムが主の方が・・・身体も・・喜ぶ・・・」

傷ついためが一層大きく揺れたかと思うと、
真っ直ぐに見つめてくれていた視線がフイッと外されてしまう。
そしてそのままボソリとクォヴレーが口にした言葉に唖然としてしまうのだった。

「オレはガムだけど・・・イングラムは・・スルメだから」
「・・・、は?ガム・・?スルメ?・・・・」

一体、何の話なのだろうか?
外された視線を元に戻すべく、両の頬に手を添えて自分の方へ向かせた。

「ガムとかスルメとか・・・話が見えないのだが・・?」
「・・・・・・そのままの意味だ。」
「そのまま?」
「・・・・スルメは噛めば噛むほど味が出る。
 まさしくイングラム、お前のことのようだ。
 お前は確かに皆を裏切った・・・けれど本当はそうじゃない。
 いろいろな遺産を残したし、今だってオレを助けてくれている。
 それに比べ・・・オレは・・・・・」

クォヴレーの声は小さすぎて最後までは聞こえなかった。
けれど唇を読むことが出来るイングラムは、
なんと言ったのか分かったようだ。


『オレは・・・なにもない。
 安いガムのように、最初しか味のない・・・薄い生き物』



確かに安いガムは最初こそ味はするものの、
直ぐに味が消え味気ないものに変わってしまう。
クォヴレーいわく、記憶のない自分は最初は周りの興味を引くが、
その人となりを知ると、ガッカリして去っていってしまう。
だから自分はガムらしい、
けれどイングラムは最初こそ厄介だが、
最終的には皆に頼られる・・・、
噛めば噛むほど味のでるスルメなのだという。

「最近、そう思うんだ・・・・」

小さな声で肩を落として話し終えたクォヴレー。
耳を下げた子犬のようにしょんぼりした姿に、
良かれと思ってやっていたことが実は全て裏目だったのだと知り、
イングラムは打ちのめされる思いだった。
イングラムから言わせれば、
まさしく自分の方がガムで、クォヴレーがスルメなのだ。
どうしたらいいのだろう?
どうやったら上手くいくのだろう。
もともと口下手なイングラムは上手い言葉が浮かばない。
女性を口説く時はあんなにスラスラ出てきていた言葉も、
クォヴレーの前では何故か出てこない。
その理由も分かっているのだ。
クォヴレーには口先だけの薄っぺらな言葉など贈りたくない。
イングラムがあれよこれよ、と考えている間も、
クォヴレーはボゾボソと話を続けていた。

「今、交代しているとき・・・この暗い世界でずっと考えていたんだ。
 イングラムに身体を渡そう、と。
 きっとその方がいい・・・。
 オレがいなくなっても誰も困らない。
 だがイングラムが戻ってくれば喜ぶ人は沢山・・・っ!!」

暗い世界にパシンと乾いた音が豪快に響いた。
クォヴレーの白い頬は赤く晴れ上がっている。
そうして無表情なイングラムを驚愕の目で見上げているのだった。

「・・・誰も困らない?
 本当にそう思っているのか・・・?」
「・・・・・っ」

張られた頬を押さえつつ、けれどもクォヴレーは頷けなかった。
イングラムの目がかつて見たことないほどに怒っているからだ。

「ならば自分の目と耳で確かめることだ。
 自分は本当にガムなのか・・・それともスルメなのか・・・。
 俺からいわせれば・・・クォヴレー・・・俺よりお前の方が・・・・」

クォヴレーの意識が遠ざかっていく。
現実の世界に戻ろうとしているのだ。
そのため、イングラムが何を言っていたのか聞き取ることは出来なかった。
手を伸ばしてもイングラムには届かない。
・・・・やがて意識は本当の暗闇に落ち、・・・・そして。





































「・・・・!!!!」

ガバッと起き上がるとそこはいつもの自室であった。
きちんとパジャマに着替え眠っていた自分。
戦闘でかいた筈の汗もどうやら洗い流してから、
『イングラム』は就寝してくれたらしい。
いつもの如く、至れり尽くせりな状況に胸が締め付けられた。
時計の音がコチッコチッと鳴っている。
まだ明け方なのか、外は薄暗い。
けれどコメカミをチクッと襲ってきた頭痛にクォヴレーは思い知る。
半ば強制的に戻されたのでいつもより痛みが強かった。
そしてその痛みで思い知る。
戻ってきてしまったのだ、現実に。

「・・・イングラム・・・まだキスもしていなかったのに・・・」

一体何が彼を怒らせたのか。
問いかけても『彼』は応えてくれない。
自分で答えを探せ、ということなのだろう。


クォヴレーはのろのろと起き上がり、
とりあえず顔を洗う為に洗面台へと向うのだった。


<あとがき>


久々に精神世界イングのお話。
と、いっても次で終わる予定ですが(笑)
この前、スルメを食べていてこの話を思いついたのです。
そういえばこいつらってスルメだよなぁ・・・と。
続きはエ■シーンも挿入してHPにUPしますね♪
気長にお待ちくだされ。
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